ブランド経営コンサルタント

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ノウハウ対談2023年2月14日

「ブランドとは何か?」海街対談vol.2 メンバーズ執行役員 原氏 後編

「ブランドは、なぜ必要か?」をテーマとした葉山キャンプ場対談の後編です。

後編は、秘密基地感が満載の森林デッキサイトに移動しました。
対談後は、ここで焚き火を囲みながらマーケター談義をしましたがその模様は番外編にて。

前編はこちらから▼
・「ブランドは、なぜ必要か?」海街対談vol.2 メンバーズ執行役員 原氏 前編

「成熟時代の消費者は、◯◯がないと買わない。 ◯◯がブランドであり、◯◯をつくるのがブランディングである。 そして、私達マーケターはそのきっかけでしかない。」

今回の原さんとの対談で少しでも明らかにしたかったのは、マーケティングやブランディングの正しい理解です。私はマーケターなので、ビジネスにおいて経営活動や施策の「効率・効果を前提」とした目的目標の達成を考えます。

中には、非効率で無駄な人的工数がかかってしまっても、多くのコストがかかってしまっても結果良ければそれでいーじゃんという考え方もあるかもしれませんが、それはあくまでも結果であって、事前にそれを考えないのはただの怠慢だと思いますし、今の日本にそれほど余裕のある企業は多くないと思います。

少し話がそれましたが、その前提の最も大きな弊害が、関係者の認識が合っていないにも関わらず「合っていると勘違いしてモノゴトが進んでいくこと」です。これがマーケティングやブランディング界隈では非常に多い。

原さんも対談の中で「ブランド」という言葉の誤認識で最も多いのが一昔前に広告代理店がつくったブランド「イメージ」のことで、それは本質ではないと言っています。

さらに、対談の後半の方でも「マーケティング」に対する勘違いとして、デジタルマーケティングのツールやテクノロジーを追いかけることがマーケティングへの取り組みになってしまっていると言っています。いわゆる手段の目的化ですが、私もこれまで、本当に多くのこの誤認識をしている経営者や経営マネジメントの方々と出会ってきました。

ここで残念な意味でクリティカルなのが「消費者理解が抜け落ちてしまっている」ことです。
今だに「デジマをするかしないか?」「デジマをすれば売れるから」といったこの業界で十数年やってきた身としても、耳を疑う相談を受けることが多々あります。

こうした誤解を少しでも解き、正しいマーケティングの理解を啓蒙することが、日本企業の復活に繋がっていくと考えています。

成熟時代の今、モノやサービスは溢れてかえっていて、しかもそれらは大体どれも同じくらい良くて、デジタル化によって比較検討できる情報が無限にある中、皆さんはどうやってモノやサービスを選んでいますか?

機能・品質・価格。その細かな違いが消費者には分かるでしょうか?

グローバル企業も含めた様々な強力なコンテンツが可処分時間を奪い合いをしている中、その僅かな違いを御社のモノやサービスと競合との比較検討でさらに奪うというのは、UX(顧客体験)として果たしてどうでしょうか?今の時代に合っているでしょうか?
私自身も今、日本企業のモノやサービスを選べなくなっています。

原さんは、日本企業は世の中や消費者の情報・トレンドの収集が足りないと言っています。

今、世の中がどう動いているのか、3年後・5年後の生活はどう変わるのか、変わった後に企業としてどう意味をつけられるかを考えることが本質。そしてその意味をつくるのがマーケターであり、同時にそれはきっかけでしかない。なぜなら消費者がその後に意味をつけていくことで、より消費者と企業との関係性が強まり、ブランドとして選ぶ理由になっていくから。

・自社の業界がシュリンクしている
・既存顧客が減少している
・若い層の顧客獲得に苦戦している
・単価が10年前の半分になっている
・リピート率が落ちている
・競争激しい最先端技術をつかった機能性特化の業界のため競合とのパクリ合戦で疲弊している
・社員の生産性が落ちている
・社員の意識が顧客に向いていない
・組織のベクトルが合っていない
・顧客が何を考えているのか分からない
・トレンドについていけず自社のマーケティングが時代遅れになっている
・何か新規事業を生み出さないといけない
・マーケティングやブランディングが分からない

…等多くのご相談を頂きますが、大事なのは、対談の中でも話をしている「自社の意味・意義・大義から考えること」で、これは決して綺麗事ではなく、上流の話だが同時に、今、そしてこれからの時代、確実に実践的です。

Kenta Brewingは、マーケティングの全体最適、及びブランド構築の支援、マーケティングの内製化支援をしています。Facebookメッセンジャーやフォームよりお気軽にご相談ください。

 


■対談者紹介
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株式会社メンバーズ 執行役員
原 裕(はら ゆたか)
https://www.members.co.jp/

アメリカン・エキスプレスで営業、マーケティング、その後、外資系広告代理店(JWT)を経て1999年メンバーズに入社。アナログとデジタル領域の経験からマーケティングを追求。

2011年には社会課題をマーケティングで解決し、持続可能な社会を共創するためのマーケティング支援会社「エンゲージメント・ファースト」を立ち上げ、「社会課題解決×マーケティング×デジタル」をテーマに様々な企業のコンサルやプロモーション企画・実施を行なっている。

株式会社エンゲージメント・ファースト代表取締役・ハーチ株式会社 社外取締役を歴任。

著書「SDGsが生み出す未来のビジネス」「エンゲージメント・マーケティング Facebookが生み出す企業と生活者の絆」「UX×Biz Book顧客志向のビジネス・アプローチとしてのUXデザイン」等

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海街マーケター/Kenta Brewing代表
上条 賢太(かみじょう けんた)
https://kentabrewing.com/

約16年間マーケティングに携わる。 2007年、株式会社メンバーズ入社。国内大手メディアや電機メーカー、アパレル企業等のマーケティングディレクターを務める。

2012年、アニヴェルセルに入社し、デジタル化・ブランド戦略・組織開発・新規事業開発を推進し、国内トップの認知度と集客力を獲得しマーケティング執行役員に就任。ミクシィ・楽天モバイルで組織開発・新規事業開発を担当し、2021年6月より現職。

「対話を生むチーム・事業・ブランドを醸造する」をビジョンに、ブランド経営で差別化を図るコンサルティングを提供。

娘が生まれたことを機に、築51年のマンションをフルリノベーションし、念願の海街移住。

海街マーケターとして「人間らしくある」「働くを楽しむ」「トレードオフにしない生き方」を根幹に、風の時代のライフスタイルを実践・発信している。

■対談場所
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スターフォレストキャンプ葉山
「ここは、都心に近い秘密基地」
神奈川県三浦郡葉山町上山口1431-1
https://www.hayama-rvsite.info/